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今回ご紹介するのは、「解 (サイコ・クリティーク 17)」です。
著者は秋葉原通り魔事件の犯人、加藤智大死刑囚です。
解 (サイコ・クリティーク 17)(著:加藤智大)
目次
・基本情報
・この本を読もうと思ったわけ
・この本の内容紹介
・この本で学んだこと
・まとめ
解 (サイコ・クリティーク 17)の基本情報
出版社 : 批評社 (2012/7/1)
発売日 : 2012/7/1
単行本 : 170ページ
ISBN-10 : 4826505590
2008年6月、秋葉原で起こった無差別殺傷事件は、7人の死者と10人の負傷者を出した。
この事件から4年を経た今年の9月12日、東京高等裁判所は容疑者の加藤智大に対して死刑を言い渡した。
この判決に先行し、今年7月、加藤智大が執筆した手記『解』(批評社)が刊行された。
これまでの生い立ちから、事件に至るまでの経緯、そして、事件を起こしてから考えたこと……。
本書の筆致からは、事件に対して驚くほど真摯に向き合った容疑者の姿が浮かび上がってくる。
事件から4年を経て、私たちは加藤智大の手記から、何を読み取ることができるのだろうか?
解 (サイコ・クリティーク 17)を読もうと思ったわけ
以前”生ける屍の結末――「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相(著:渡邊博史)”を読んだとき、犯人が加藤死刑囚の本を読んだと書かれていました。
黒子のバスケ事件と、秋葉原無差別殺傷事件にはどんな共通点があるのだろう。
それが気になってこの本を読みました。
痛ましい事件を繰り返さないために、自分自身を見つめ直す意味もありました。
解 (サイコ・クリティーク 17)の内容紹介
誰かが私に対して、私の価値観で間違ったことをしてくると、私は怒りました。
今考えると私も悪いのですが、当時はそうは考えていません。
相手が100%悪いと考えています。
相手が何を言ってきても全く耳を貸さず、時には力ずくで黙らせましたから、私は天下の嫌われ者になりましたが、そのことすら、どうして自分が悪いくせに私を悪者にするのか、と不快に思っていました。
私が親に対して自分が全て悪いと考えて対応していたように、私から攻撃された相手も自分が全て悪いと考えて対応してくれるものと思っていたからです。(P.66)
様々な問題点からフラグが立ってきても、最後に「思いとどまる理由が無い」というフラグが立たなければ実行はされませんから、思いとどまる理由を用意しておくことが、対策になるはずです。
私は、社会との接点を確保しておくことで思いとどまる理由も確保しておき、そこに逃げられるようにしておくことが、似たような事件を防ぐ対策になる、という結論に達しました。
もっと簡単な言葉にすれば、「まあいいや。それより〇〇しよう」と思える「〇〇」をたくさん集めておく、ということです。(P.152)
解 (サイコ・クリティーク 17)で学んだこと
犯人は母親から不適切な教育を受けた影響で、自分の気持ちを言葉にして伝えることが苦手だと感じました。
暴力を振るったり、相手がすべて分かってくれるだろうと期待しすぎる傾向があるようでした。
コミュニケーション能力の欠如と、常に誰かと繋がっていないと孤立感を覚えてしまう依存的な性格。
この2点が事件の大きな原因だったのかなと思います。
言葉にせずともわかってくれるだろうと思わず、自分の気持ちをきちんと口にすることが大切だと感じました。
解 (サイコ・クリティーク 17)のまとめ
「事件を防ぐためにどうすればよかったのか?」
犯人が語る言葉にはまっとうな部分もあり、それが考えられるならなぜ事件を起こしてしまったのだろうと思ってしまいました。
事件を他人事にせず、自分ならどうするだろうと考える必要性を感じました。
寂しさや孤立感で苦しんでいる人に読んでほしい本です。
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