コツコツ読書ブログ

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【感想】そして父にならない(著: カトーコーキ)

(この記事はプロモーションを含んでいます)

〇この本はこんな人にオススメ

毒親に育てられた経験があり、生きづらさを抱えている

・自分が親になることに不安やためらいがある

そして父にならない(著: カトーコーキ)

目次

・基本情報

・この本を読もうと思ったわけ

・この本の内容紹介

・この本で学んだこと

・まとめ

「そして父にならない」の基本情報

ISBN 9784781619828
JANコード 1920979011113
NDC分類 726
発売日 2021年6月14日
判型 四六判  
製本 並
ページ数 192ページ

父親にはならない。

けど、愛してる

小さい頃から父親からの心理的虐待を受けて育ち、そのせいで他者との距離感が取れないまま成長した著者。

果ては東北大震災でも被災をうけ、うつ病になってしまう。

「自分のような人間が、家族を持つべきではない」

その信条のもと、長い間恋人も作らず、1人山奥にこもって家づくりに励んできたが、ひょんなことからある女性と出会い、お付き合いすることに。

その女性は「もっち」という5歳の男の子を育てるシングルマザー。

実の父親から虐待を受けて育った男が、突然「父親」的な存在になってしまう。

しかし、初めて出会った日「もっち」をとても可愛く愛しく感じてしまい……。

父親のこと、自分のことを見つめ直しながら「もっち」と過ごす中で、著者が見つけた答えとは───。

「そして父にならない」を読もうと思ったわけ

NHKEテレで放送されている「理想的本箱」でこの本を知りました。

僕は幼少期に父親から暴力・心理的虐待を受けて育ちました。

子どもの頃から父が憎く、「親子の負の連鎖を終わらせるためにも、自分は絶対に父親にはならない」と決心していました。

しかし大人になってからは、テレビの子育て番組をよく見ます。

特に好きなのは、NHKでやっている「ハロー!ちびっこモンスター」。

お父さんの子育てを見守るという内容なのですが、毎回色んなお父さんが登場します。

すると完璧な父親なんていないんだよなと、いつも考えさせられます。

もしかしたら自分も父親になりたいのかな。

でもやっぱり親になるのは怖いな。

そんなアンビバレントな気持ちをどうにかしたくてこの本を読みました。

「そして父にならない」の内容紹介

血縁がない家族 というこの形態においては、常に自分と子供が別人格であることを明確に突きつけられているため、人格を侵害するようなことが起こりにくいのである。

血の繋がりのある親子に憧れている一方で、血の繋がりはないけど家族みたいにしてるこの形に、ある意味救われているのかもしれないよな。(P.125)

だからオレはこの先も父親にはならない…。

けどそんなオレたちにもなれるものがある…。

それは家族…。

法的に認められたものではないけど、オレたちがやっていることって、たぶんもう家族なんだよな…。

俺はもっちにとっての友達みたいな対等な関係の家族であれたらそれでいい。

家族の形なんて他人に決められることじゃない。

だからこれからも作っていくんだ、自分たちなりの家族の形を。(P.182) 

僕は近頃時々思うのです。

もっち 君の存在がボクに教えてくれたものこそ、僕が幼少の頃より渇望してきた「愛」という代物なのではないかと…。(P.189)

「そして父にならない」で学んだこと

カトーさんは自分の価値観を押し付けず、いつも子どもの立場になって考えられるのが素晴らしかったです。

既存の父親像に縛られず、「友達のような親」という新しい父親像を獲得する姿に、たくましさと希望を感じました。

僕も子育てにこだわりすぎず、現実的な選択肢(植物を育てるなど)で代替するのもありなのかなと思いました。

「そして父にならない」のまとめ

自身の生きづらさと向き合うこと。

他者との出会いによって、自分が新しく生まれ変われること。

辛い経験をしているからこそ、誰かに優しくなれること。

カトーさんの生き方に背中を押されて、前向きな気持ちになれました。

漫画なのでスラスラ読めますが、読みごたえがありますよ。